【ワルファリン服用者は必読】ビタミンKとの危険な関係と、安全な付き合い方

サプリと健康

こんにちは!あなたの健康と美容を応援するAyuです😊

前回の【第1回:メリット編】では、ビタミンKが骨と血管の健康を守る、素晴らしいヒーローであることを学びましたね!

▼前回の記事をまだ読んでいない方はこちらから♪

【カルシウムだけでは危険?】骨粗しょう症・動脈硬化を防ぐビタミンKの新常識
カルシウムだけ摂っても骨は強くならない?骨粗しょう症と動脈硬化を同時に防ぐ「ビタミンK」の驚くべき効果を解説。「骨の接着剤」「血管のお掃除屋」としての働きを知り、健康寿命を延ばしましょう。

さて、全2回シリーズの完結編となる今回は、ビタミンKの“もう一つの顔”に迫ります。
それは、私たちの命を守るために不可欠な「血液を固める」という働きです。

この働きがあるからこそ、この記事は、ただの栄養解説ではありません。
特に「ワルファリン」というお薬を服用中の方、そしてそのご家族の健康を守るための、非常に重要なメッセージになります。

⚠️ はじめに【最重要:必ずお読みください】

この記事は、ビタミンKに関する一般的な情報提供を目的としています。個人の病状や治療に対する医学的なアドバイスではありません。

食事やサプリメント、健康食品の摂取については、自己判断せず、必ず主治医、薬剤師、管理栄養士にご相談ください。
あなたの健康を守るために、専門家との連携が最も重要です。

🩸 ビタミンKの本来の仕事:血を「固めて」命を守る止血作用

第1回で、ビタミンKは「血液サラサラにする」のではなく、「血管をしなやかに保つ」働きだとお伝えしました。
では、血液そのものに対しては、どんな働きをするのでしょうか?

答えは、「血液を固める」です。

想像してみてください…
指を少し切ってしまった時、最初は血が出ますが、しばらくすると自然に止まりますよね。

これは、私たちの体に備わった素晴らしい自己防衛システムのおかげ。
そして、この止血システムのスイッチを入れるキーマンこそが、ビタミンKなんです。

ビタミンKは、肝臓で「血液凝固因子」と呼ばれる、血を固めるためのタンパク質を活性化させます。
この凝固因子たちが働くことで、出血した場所に“かさぶた”が作られ、血が止まるのです。

つまり、ビタミンKは、私たちがケガをしても血液を失いすぎないように守ってくれる、命の恩人とも言える存在なんですね。
この「固める」という働きが、今回のテーマの最重要ポイントです。

💊【ワルファリン服用者向け】なぜビタミンKの摂取に注意が必要なのか?

心房細動やエコノミークラス症候群などで、血管の中に血の塊(血栓)ができやすくなっている方がいます。
この血栓が脳や心臓の血管に詰まると、脳梗塞や心筋梗塞といった命に関わる病気を引き起こします。

それを防ぐために使われるのが、「ワルファリン」(商品名:ワーファリンなど)というお薬です。

ワルファリンとビタミンKは“敵同士”

ワルファリンは、一体どうやって血を固まりにくくしているのでしょうか?
答えは、「ビタミンKの働きを邪魔する」ことです。

【体の中での戦い】

  • ビタミンK:「血を固めるぞ!凝固因子、働け!」

  • ワルファリン:「待て待て!ビタミンK、お前の働きは邪魔させてもらう!」

ワルファリンは、ビタミンKの働きをブロックすることで、血液凝固因子が作られるのを抑え、意図的に血を“固まりにくい”状態にしています。

もう、お分かりですよね。
ワルファリンを飲んでいる時に、ビタミンKを多く含む食品をたくさん食べてしまうと、どうなるでしょうか?

体の中のビタミンKが増え、ワルファリンの邪魔をはねのけて、血を固める働きが強まってしまいます。
つまり、せっかく飲んでいるお薬の効果が弱まり、血栓ができるリスクが高まってしまうのです。

これが、ワルファリン服用中にビタミンKの摂取に注意が必要な、決定的な理由です。

「一切ダメ」ではなく「一定に保つ」という考え方

「じゃあ、ビタミンKを含む野菜は全部食べちゃダメなの?」
そんなことはありません。ビタミンKは体に必要な栄養素ですし、完全にゼロにするのは不可能です。

大切なのは、「ビタミンKの摂取量を、毎日なるべく“一定”に保つ」ということ。

昨日と今日で摂取量が大きく変動すると、ワルファリンの効き目も不安定になってしまいます。
医師は、患者さんの普段の食生活を考慮した上で、お薬の量を調整しています。
急に食生活をガラッと変えるのではなく、バランスの良い食事を心がけ、特定の食品を極端に摂りすぎたり、急にやめたりしないことが重要です。

🤔「健康な人がビタミンKを摂ると血栓ができる」は本当?

「ビタミンKは血を固める」と聞くと、
「じゃあ、健康な人が摂りすぎたら、血がドロドロになって血栓ができるんじゃないの?」
と心配になるかもしれませんね。

この心配は、全く必要ありません。きっぱりと「間違いです」と言えます。

なぜなら、健康な人の体には、血液を「固める力(凝固系)」と、固まった血を「溶かす力(線溶系)」の両方が備わっており、絶妙なバランスを保っているからです。

食事からビタミンKを普通に摂る分には、このバランスが崩れることはありません。
むしろ、第1回で学んだように、骨や血管の健康を守るために、積極的に摂りたい栄養素なのです。
(※サプリメントでの極端な過剰摂取は除きます)

🙋‍♀️ ビタミンKに関するQ&Aコーナー

最後に、ビタミンKに関してよく寄せられる質問にお答えします!

Q1. なぜ「納豆」は特に注意が必要なのですか?
A. 理由は2つあります。
1つは、納豆そのものにビタミンKが多く含まれていること。
そしてもう1つ、もっと重要なのが、納豆を作る「納豆菌」です。納豆菌は、腸の中でもビタミンK2を作り出し続けます。
そのため、一度食べると、他の食品とは比べ物にならないほど、長時間にわたって体内のビタミンK濃度を上げてしまい、ワルファリンの効果を著しく弱めてしまうのです。
この理由から、ワルファリン服用中の納豆摂取は、原則として禁止されています。

Q2. ほうれん草などの緑黄色野菜も、全部ダメなのですか?
A. いいえ、ダメではありません。大切なのは「摂取量を安定させること」です。
「今日はほうれん草のおひたしを小鉢一杯食べたから、明日はやめておこう」といったように、日々の食事の中で量をコントロールすることが大切です。一度に大量に食べたり、毎日山盛り食べたりするのは避けましょう。詳しくは管理栄養士さんに相談するのが一番です。

Q3. クロレラや青汁のサプリメントは飲んでもいいですか?
A. ワルファリンを服用している方は、自己判断で絶対に飲まないでください。
クロレラや青汁といった健康食品には、ビタミンKが非常に高濃度で含まれていることが多く、ワルファリンの効果を打ち消してしまう危険性が高いです。
もし利用を考えている場合は、必ず事前に主治医や薬剤師に相談してください。

✍️ シリーズ全体のまとめ

全2回にわたってお届けしたビタミンKシリーズ、これにて完結です!
ビタミンKの持つ「光」と「影」、両方の顔を深くご理解いただけたのではないでしょうか。

  • ✅ ビタミンKは、骨と血管の健康を守る「ヒーロー」であると同時に、血を固めて命を守る「キーマン」でもある。

  • ✅ 健康な人にとっては、骨粗しょう症や動脈硬化を防ぐために積極的に摂りたい栄養素。

  • ✅ 一方で、ワルファリンを服用している方にとっては、薬の効果を邪魔してしまうため、摂取量に細心の注意が必要。

自分の健康状態や服用中のお薬を正しく理解し、賢くビタミンKと付き合っていくこと。
それが、あなたの、そしてあなたの大切な人の健康寿命を延ばす鍵となります。

繰り返しになりますが、食事やお薬のことで不安な点があれば、一人で悩まず、どうぞ遠慮なく主治医や薬剤師、管理栄養士といった専門家に相談してくださいね。

最後までお読みいただき、本当にありがとうございました!😊

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